革マル派特殊部隊の手によってJR総連革マル派幹部が拉致された事実を知った、JR総連のドン、松崎明は激怒した。そして断が下された。革マル派との義絶である。そして、それまで革マル派に流れていた年間70億円の金がストップしたのだ。
われわれがJR総連=革マル派という図式で、JR北海道の問題などを解釈することには無理があるということは前回述べた。そのひとつがJR総連の革マル派指導機関「JR労働者組織委員会」(正式名称:革共同JR労働者組織委員会)のメンバーが革マル派の特殊部隊に拉致されたという事実だ。元活動家へのインタビューは続く。
JR総連=革マル派という断定のもとに、週刊誌・マスコミがJR北海道問題などを取り上げているが、これは少々疑問である。これについては私どもの記事にも書いたが(JR北海道不祥事「革マル派」に隠れてしまった本当の理由を参照して頂きたい)、これは現状を知らないライターが公安関係者からの情報にもとづいて書いた記事であろう。だがそのことによって、解明すべき事故の本質が覆い隠されてしまうことがあってはならない。そこで、JR総連と革マル派の関係について省察してみる。
革マル派はその全盛期、1970年代において、国鉄(現・JR)の中に大きく根を張っていた。とくに機関士・運転士が所属していた約6万人の動力車労働組合は、千葉と新潟をのぞいてほぼ全国的に革マル派系といわれており、そのほとんどが同派の集会やデモに参加していた。その中で革マル派のいわゆるフラクションメンバー(活動家)は約5000人。彼らは革マル派機関紙「解放」、季刊誌「共産主義者」(現在は「新世界」)の定期購読者であり、カンパ(給料の3割、ボーナスの5割)をしていたといわれている。当時の状況を知る元国鉄労働組合の革マル派中堅幹部の話を聞いてみた。
この夏、福岡市中央区今泉にある中央保育園移転問題が新聞の紙面を賑わせた。老朽化と耐震面の理由から移転が検討されたのだが、問題はその建設予定地。パチンコ屋の裏で、2軒先にはラブホテルが建っているのだ。さらに避難経路をパチンコの景品所や今後ビルが建つ可能性のある駐車場などを通るルートに設定しており、明確な避難経路は確保されていない。
当然、父兄は大反対で「中央保育園保護者の会」が立ち上がり、1万人の署名を集め、市を相手取って住民訴訟も行う予定でもある。
ただ、これにとどまらず、この移転問題は、高島市長や元市会議員、県警をも巻き込む大騒動へ発展しそうなのだ。
今年4月の福岡市の副市長人事は寝耳に水だった。農林水産部長の中園政直氏が抜擢されたのだ。
「部長の次の役職は局長で、その次が副市長です。しかも局長は70人ほどいるわけですから、70人のゴボウ抜きとも言えます。こんな人事かつて聞いたことがありません」(福岡市関係者)
さらに中園氏の人事が注目されたのは2代前の山崎広太郎市長時代に財政局の契約課長だったからでもある。財政局の契約課長といえば建設、土木、マリコンのすべてを握る役職。各企業のみならず地元議員も「中園詣で」をしていたほど大物職員だった。
この中園氏が副市長に就く代わりに退任したのが、それまで地下鉄工事の調整役を行っていた渡辺正光副市長(当時)。しかし、その退任理由もはっきり分からず、謎が謎を呼ぶ人事となったのだが、どうやらこのカラクリには大物議員がからんでいたようなのだ。
レール幅の基準値超え、運転手の覚せい剤使用、出火、発煙など次々に不祥事が明るみになったJR北海道だが、問題は今に始まったことではない。2011年5月にも石勝線のトンネル内で脱線火災事故が発生。幸い乗客約250人は無事だったが一歩間違えれば大惨事となった事故である。この時、国交省から業務改善命令を受けて再発防止策を出したものの、その後もトラブルは絶えず、何度も再発防止策を打ち出してきた。にもかかわらず、なぜ、事故やトラブルに歯止めが掛からないのか?革マルの影響下にある労組が原因だと言われているが、コトはそう単純ではなさそうだ。
10月時点で、被害者が1万4000人超えたカネボウ白班問題。同社の美白化粧品のなかに含まれているロドデノールによって、顔や手に白いまだらができてしまったというものだが、先月発表された「第三者調査」では、問題発覚以前から被害者の声が多数寄せられていたにもかかわらず、社内で放置されてきたという杜撰な実態が明らかに なった。
「第三者調査」の報告書では、親会社・花王から導入された「エコーシステム」(苦情や意見を統合するシステム) が正しく運用できていなかったとか、白班にいち早く気づいていたビューティカウンセラー(店頭販売員)の声が社 内に反映されなかったなど、様々な原因が指摘されているが、中でも問題なのが苦情が持ち込まれた先だ。それを知ればマスコミから「隠蔽」の声が上がってもいいはずだが、それにはワケがあるようで・・・
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10月7日、朝日新聞朝刊において「誠道会が『新団体』」なる記事が掲載された。そしてその日、熊本県・天草で浪川政治会長が十数人の誠道会直参を率いて、新団体「浪川睦会」の結成を発表した。今年6月、道仁会と九州誠道会との手打ち話が発表され、その推移を見守っている中での出来事であっただけに、福岡県警や報道関係者の間では、「これで手打ちはなくなった。抗争再燃か」という見方が強まっている。
本題に入る前に道仁会と九州誠道会の抗争の歴史をざっと降りかえってみよう。
2006年、道仁会の松尾誠次郎・二代目会長の引退に伴う後任人事を巡って組織が分裂。最大規模の傘下組織であった村上一家と意見を同じくする組織が道仁会から離脱して九州誠道会を発足させ、そのまま抗争に突入。6年の長きにわたり、47件の抗争がおき、一般人をも巻き込む形で14人の死者と多くの負傷者を出したのだ。
そんな中 「道仁会と九州誠道会が手打ち」!というニュースがかけめぐったのは今年6月10日。その真偽をめぐって報道関係者や福岡県警関係者が深夜まで情報収集に動いたが詳細は分からず、翌11日に記者会見を開くという情報が駆け巡った。
ところが、翌日記者会見は行われず、両会の幹部が久留米署にそれぞれの車で乗り付け、文書を記者クラブの幹事社に手渡すとすぐに退署してしまった。
記者が受け取った文書には九州誠道会の解散と、それを条件とする道仁会の抗争終結が盛り込まれていたものの、小林会長と浪川会長ならびに両会の幹部の署名はなく、浪川会長の引退に関する言及もなかった。
そのことから福岡県警はこの抗争停止・解散の声明は偽装の可能性があるとして、同県警はこの動きの背後を探るために、県内はもとより、道仁会とは関係のなさそうな東京や大阪、名古屋まで捜査員を派遣している。というのも、2年前から両者の和解をめぐる動きが九州四社会(工藤会、道仁会、太州会、熊本会)や住吉会、山口組なども巻き込みながら進められていたからである。
確かに「解散文書」には重要な記載が欠けているため、偽装解散だという見方は強い。しかし、それを否定する声もある。
「擬装なわけないやろ。水面下の交渉では、そう疑われてもしょうがない部分もあったけど、90%以上、お互いの歩み寄りは出来とったとよ」
と語るのは、地元暴力団に詳しい事情通。
「県警や他のヤクザがこの発表をどう捉えるか、っていう観測気球的意味合いもあったけど、改正暴力団対策法や暴排条例の施行やらあって、資金的に追いつめられとったとよ。それやのに抗争を続けるわけにはいかんやろ。そういう両者の強い思いがあったけん、手打ちすることになったとよ」
道仁会の小林会長がその後、ゴルフをめぐる詐欺容疑で逮捕・再逮捕されるという事態があったが、それは織り込み済み。小林会長の逮捕によって発表がずれこまないよう、その前に発表を済ませたかったのだ。
捜査関係者は言う。
「当初、偽装解散を疑っていましたが、発表後も両会幹部による会談が続いており、9月末の小林会長の第1回公判の傍聴には浪川会長が現れました。このことから、両者の関係は軟化し、和解に向けて動いているのでは、という見方に変わったのです。現在、逮捕拘留されている小林会長が10月中旬に保釈されるので、それに合わせて再度、合意文書が発表される可能性があると見ていました」
正式な発表の後、九州誠道会の多くの組員は道仁会に戻るか廃業し、戻らない一部の組員たちは、独立した組織を立ち上げるのでないかと県警は予想していたという。
ところが、その流れに逆らうかのように、10月7日の熊本県天草で九州誠道会による新団体の結成。一部の組員どころか同会がそのまま新団体に移行する形となり、抗争が再燃するのではないかと、県警の緊張感は一気に高まった。
だが、小林会長が保釈される直前にこの発表が行われたということに注目したい。つまり未だに水面下では交渉が行われていると我々は見ている。
一応、五分の立場で話し合いをするということを明確にするために、解散を表明したとはいえ九州誠道会側がまとまっているということを対外的に示すという政治的な行為と解釈することも可能だ。
「この新団体結成は小林会長も認めている」と浪川会長が同行記者に語ったといわれているが、そこに今回の行為のプロパガンダとしての意味があるのではないか。
小林会長の保釈とともに第二幕が始まるだろう。そこに思わぬドンデン返しが待ちかまえているような気がしてならない。
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10月に入ってすぐにまた汚染水漏れが発覚した福島原発。根本的な解決策がないままなので、同様のニュースはまだ続くことになると思われるが、この問題を世界はどう見ているのか。汚染水問題が世界的にもっとも注目されたのは間違いなく9月7日、安倍晋三首相のアルゼンチンのブエノスアイレスで行われたIOC総会での発言だった。
「私が安全を保証します。状況は完全にコントロールされています」
実は、IOC総会の直前まで数週間にわたり、海外メディアではこれまで例がないほど汚染水問題を取り上げた記事が溢れかえっていた。それを払拭するために十分考えた上での発言だったのだが、安倍の発言を問題視している人がいるのだ。
IOC総会までの海外メディアの汚染水問題の取り上げ方は凄まじかった。例えば自らも原発大国であるフランスのニュース専門チャンネル、フランス24は、8月下旬からほど毎日のように汚染水についての通信社の記事を電子版に掲載。イギリスのインディペンデント紙は「東京電力は汚染水漏れを知っていた」と批判する記事をはじめ、IOC総会直前の9月3日には、福島の漁師が取った魚の放射線量を計る活動を取り上げ「福島の放射能魚」という記事も掲載した。ちなみにこの記事は、このタイミングで取り上げる必然性はないように思われる。カナダの公共放送であるCBCも、8月中頃から立て続けに福島原発の汚染水について「福島の失敗~汚染水漏れを認める」などとタイトルを付け、テレビ、ラジオ、電子版記事で取り上げていた。
さらに2013年9月2日、原子力規制委員会の田中俊一委員長が、汚染水が長期にわたり漏れる可能性があるという発言をしたが、その発言も通信社の記事などで世界中のメディアで報じられた。そうした記事の数は欧米メディアを日常的に見ている人たちの目には、異常だと思えるほどだった。だからこそ、安倍はあれくらい強気の答えを返す必要があったのだろう。
もちろんそうした加熱報道の裏には、五輪開催の有力候補地であった日本・東京が注目を集めていたこともある。世界の読者が興味を持つだろうという商業的な意識が働いた東京在住の外国通信社も、この時期、東京発の原発記事を数多く配信していた。外国にいる欧米記者の間にも、福島原発の問題が解決していないのに、五輪など誘致して大丈夫か、という率直な疑問があったはずだ。観客は安心して五輪観戦に行けるのか、選手は大丈夫なのか。そこに汚染水漏れのニュースが出て、各国がその疑問を強くしたと考えられる。
ただ五輪決定後は、欧米メディアにそんな記事はあまり目立たなくなった。熱が冷めたてしまえばこのようなものだ。そんな中で敏感に反応を示していた人たちがいる。海外の原子力専門家たちだ。
米ウッズホール研究所のケン・ブースラーは「放射能汚染水を止める方法は現実的にない」と英BBCで発言している。
長年、世界の原子力政策に関わってきた大物専門家もこう言う。
「IOCが東京でオリンピックをやると決めた以上、現状をしっかりと伝え、日本は国内と世界の人々の信頼を得られるよう尽力しないといけない。コントロール出来ていると首相が言ったのに、すぐに東電が出来ていないという。国際社会は何を信じればいいのか。しっかりと事実を伝えないと、日本政府は福島の影に覆われて最終的にはオリンピック開催を諦めるという選択に迫られる可能性だって出てくるかもしれない」
さらに続けて言う。
「安倍は世界の前で汚染水の影響は原発周辺に限定されていると断言した。海に流れてどう食物連鎖に入り込むのかも把握されない汚染水を、だれがどうコントロールできるのか。これほどの量が海に流れ出たことは前例がない。安倍の発言はとんでもない誤解を招くものだ。被害を把握できない驚くほどの無能ぶりを露呈しただけか、はたまた、あからさまに世界の認識を操作しようとする試みだったのか」
こうした話は、海外でも引き続き大きく報じられていくことだろう。それが日本の原発事故対応にも緊張感をもたらすことになればよいのだが。
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