カテゴリ: 野村悟
「工藤会」総裁の野村被告脱税事件の「判決の行方」
脱税の容疑で、工藤会総裁の野村悟被告と同会幹部で金庫番とされる山中政吉被告の公判が27日、福岡地裁で行われ、検察側は野村被告に懲役4年、罰金1億円、山中被告に懲役3年6カ月をそれぞれ求刑した。が、かなり苦しい立件内容でまさか無罪とはなるまいが・・・
「工藤会」残存幹部の逮捕は「壊滅作戦」の最終局面への序曲か
2018年、福岡県警の工藤会壊滅作戦は、一段とレベルアップしたようにみえる。今までは総裁の野村悟容疑者の出身母体、田中組系に捜査の重点を置いていたが、いまは別系統の組に捜査の中心が置かれているように見える。県警の工藤会に対する厳しい姿勢は、ますます強くなりそうだ。
無料公開 工藤会総裁「野村悟」被告の初公判
10月31日。その日、福岡地裁は緊張感に満ちていた。所得税法違反に問われた工藤会総裁の野村悟被告の初公判が行われるためである。
公判が行われる本館302号法廷の廊下には約350人弱の傍聴希望者が並んでいたが、一般に用意された席はわずか10席のため抽選が行われた。
そして、公判の開始時間の午後3時半ごろになると、マスコミの撮影などが行われ、それが終わるとマスコミの記者などが着席。午後3時40分ごろ、2人の屈強な刑務官に両脇を挟まれた手錠、腰縄姿の野村悟被告が入廷してきた。
2014年9月に逮捕され3年余。はじめて公の場に姿を現した。
傍聴席の家族にも入廷の際に一瞥をくれただけで、検察側、裁判長席に目を向けたままだ。紺色のスーツに真っ白なワイシャツ、初めて公の場に出ることを意識したものと思われる。
頭に白いものは目立つがそれ以外に拘禁生活の疲れを感じさせるものはない。肝臓を患っているという噂も囁かれていたが、顔色もよく被告席に座っている姿も背筋が伸びている。 遅れて金庫番とされる山中政吉被告も入廷(同罪で起訴)。山中被告は野村被告から離れた席に着席した。
弁護団、検事側はともに6名。
「木村博幹事長の公判では弁護士が2~3人だったはずですから、6人は多いですよね。こんなに人数が必要なのかなと思いましたが、そこはやはり総裁というところでしょうね」(担当記者)
公判はたんたんと進む。検察が起訴状を朗読。被告人の認否を裁判長が尋ねると、野村被告は「起訴状で私の収入や所得といわれているものは私のものではありません」と静かだがはっきりした口調で答えた。山中被告も「野村さんのものではありません」と答える。では工藤会のものということか、という裁判長の問いかけに「工藤会のものです」とこれもはっきりした口調で答えた。
冒頭陳述で、検察側は工藤会が建設業者、パチンコ業者などから集めたみかじめ料約8億1千万円を個人所得にしながら別人名義の口座に隠し、所得税3億2千万円を脱税したと述べ、工藤会に入るみかじめ料のうち、組の運営にあてられていたのは1割にすぎず、残りは最高幹部たちが自分のものとしていたと指摘。とくに野村被告は溝下秀男工藤会総裁が亡くなって以降は、6割以上を得ていたと述べた。
しかし、弁護側は冒頭陳述は意外だった。この事件が「法の前における平等」という考えから逸脱したものであることをまず指摘したのだ。「暴力団ということで、社会一般なら所得税違反にならない件で逮捕された。さらに15年前の事件で逮捕されるなど著しく不当な捜査である」と工藤会捜査の不当性を訴えたのだ。
「いや、いずれ捜査があまりにも差別的だということは主張するだろうとは思っていましたが、冒頭陳述からそこを指摘してくるとは思っていませんでした。検察は、工藤会は凶悪犯罪組織であるというイメージづくりをしていますが、それに対抗する意図があったのかもしれません」(同)
工藤会はこうした主張をするためだったのか、傍聴禁止令が出ていたようだ。
「警察を挑発することになるし、大勢で押しかければ騒動になりば、“やはり工藤会は極悪の暴力団だ”と宣伝される格好の材料になってしまいます。そのため傍聴には行くなという指示を現在の幹部が出したそうです」(事情通)
そういえば、たしかにスーツ姿の県警の刑事が入り口や裏口、法廷廊下など、あちこちで不審な者がいないか目らせていたが、思ったより警備が少なかった。
「どうも工藤会組員が傍聴に来ないという情報が入っていたようです。組員が大挙して押しかけてくるとなればあんなもんではないでしょう」(担当記者)
いささか拍子抜けでもあったが、公判も淡々と進んだ。
検察側から300点余りの証拠品が示された。その中には山中被告が所持していた、収支を記録したもの、といういわゆる“山中メモ”と思われるものもあった。弁護側不同意のものは、開示しなかったようだが、それは今後の証人尋問などで明らかにされることになるだろう。
「検察側は証人17人も用意しているそうです。元組員らも含まれていると思いますが、もしかすると建設業界やパチンコ業界の関係者もいるかもしれません。みかじめ料の実態がどこまで解明されるのか分かりませんが、興味深いものになるのではないかと思っています」(同)
野村被告の公判はまだまだ続く。今後10年、15年は続くだろう。野村被告の冷静な態度はその覚悟の証か、「ヤクザ」トップのプライドか。それともいつか態度を豹変させて凶悪性を露呈させてしまうのか。検察と工藤会の戦いははじまったばかりだ。
「工藤会捜査」野村総裁の裁判が握る「組織の命運」と「事件の解明」
福岡県警本部長に高木勇人警視監が9月7日に就任した翌日、清水建設社員銃撃事件が着手。福岡県警による工藤会壊滅作戦は着々と進んでいる。そんな中、10月31日に工藤会総裁の野村悟被告の裁判が行われる。この裁判が今後の工藤会捜査に与える影響は決して少なくない。工藤会が一気に崩壊しかねないのだ。
「工藤会」14人逮捕で「マスコミ」が迷走したワケ
6月1日から2日にかけて、工藤会幹部ら14人が逮捕された。県警が組織犯罪処罰法違反容疑で工藤会組員らの逮捕状を取ったという情報は各マスコミはつかんだものの、何の事件での逮捕状なのかが分からなかった。なぜ記者たちは右往左往したのか。
「工藤会事件」総裁の野村被告を追い詰める!?検察側証人に「殺人事件」被告
看護師切り付け事件や小倉南区の元警部襲撃事件、小倉北区の歯科医師襲撃事件などに関与したとして逮捕された工藤会田中組幹部、中田好信被告の公判が2月20日、3月1日、2日と連続して開かれた。同被告が3件すべてに関わったことを認めているため、特筆すべき争点はないのだが、ひとつ福岡県警が注目しているのが検察側の証人として出廷する工藤会組員だ。その証言が、1月に着手した殺人事件の全容解明のカギを握ると見られているのだ。
裁判対策!?年の瀬に「工藤会」執行部に新たな動き
福岡県警の工藤会事件がひと段落つく中、総裁の野村悟被告が関わったとされる事件の審理がはじまったのは11月。その公判で検察側は、証人として元組員を出廷させるなど、野村被告の指示や関与を立証する構えだ。だが、工藤会側としては逮捕されている組員が次々と検察側に寝返るのは防ぎたい。事件の内容のみならず、現在の工藤会本体も丸裸になる可能性があるためだ。その対策として執行部に新たな動きがあったという。
工藤会「捜査」「裁判」が動かないこれだけの理由
来年初頭にも開かれるのではないか、とみられていた工藤会野村悟総裁の所得税法違反に関する公判が、どうも伸びそうだ。当初は、所得税法違反の公判を皮切りに、工藤会幹部に対する裁判が始まるとの話もあったが、これも当然、伸びることになる。「公判の開始まで3年ぐらいかかるという話もあります」とは事情通の話。いったい何が起こっているのか。
「工藤会」18人逮捕「元警部銃撃事件」のウラに潜む「県警の触られたくない話」
6日、工藤会事件で大きな進展があった。2012年に起きた福岡県警元警部銃撃事件だ。これに関わった容疑で、工藤会総裁の野村悟容疑者や会長の田上不美夫容疑者ら18人を逮捕した。しかし、この事件は非常に闇が深い。光の届かない闇の底には県警と工藤会の癒着構造が横たわっているとも言われている。それゆえ犯人が分かっても県警は逮捕出来ないのでは、との見方もあったぐらいだ。一体この事件のウラには何があるのだろうか。
全国の暴力団が戦々恐々「工藤会」の上納金に目をつけた「国税」
福岡県警の工藤会壊滅作戦が新たな段階に入った。我々がすでに報じていた通り、16日、すでに殺人容疑などで逮捕・起訴されている工藤会トップ野村悟総裁と他3名を所得税違反容疑で逮捕した。その翌日には、同容疑で工藤会傘下組織組事務所に一斉に家宅捜索に入り、資金の流れなどがわかる記録、メモなどを押収したという。暴力団の上納金を所得とみなして摘発するのは全国初のケース。それゆえ当局も慎重に問題の洗い出しを行っているという。
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