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追悼 衆院選でJAの姿勢に怒りを感じていた「横大路廣章」
2015年01月30日(金)

《無料公開》

 福岡農業界、いや、日本農業界で活躍してきたJA粕屋農協前組合長・横大路廣章氏が21日、永眠された。

 18日夕方、新年会に向かう途中で倒れ、意識不明のまま、ご家族・友人の必死の願いにもかかわらず息をひきとった。死因は脳内出血。享年65歳。まだまだ活躍を期待される中での本当に残念な死であった。

 23日の葬儀には、氏を知る多くの人がつめかけ、葬祭場の1階、2階は満席となり、建物の外にまで弔問客はあふれるほど。いかに横大路氏が多くの方に信頼され、愛されてきたかがよく分かる。

 JA粕屋組合長としての氏の活躍は語り草になっている。

 不採算部門を整理統合すると共に、都市近郊型農協としての特質を生かしてアンテナショップを開設。福岡県内JAでもトップの業績をあげるまでにJA粕屋を育て上げた。脳溢血で一昨年倒れたものの不屈の精神力で立ち直り、昨年6月に組合長を退くまで地域の農業の発展、組合員のために、休む間もなく働き続けた。

 退任後は、コストダウンした有機農法の展開のために、九大名誉教授とともに、耕作現場や県、市、町などの役所をまわり普及を訴えた。自民党県議団団長の蔵内勇夫県議も「横大路さんの有機で日本の農業を変えるという話はダイナミックで、地方の再生の可能性をそこに感じた」との談話を残している。

 そんな横大路氏は晩年、TPP反対の立場からこう語っていた。

 「この問題は、メリット・デメリットなどという観点からみてはならない。極めて哲学的な問題なのです。日本人の民族としての根底、魂に関わる問題として考えなければいけない。日本民族を日本民族たらしめたのは農業をはじめとする第一次産業だ。人間と自然の営みは、われわれの根底にあるもので、それを破壊することには徹底的に反対しないといけない。私は断固として闘うつもりです」

 この考えは、東日本大震災から立ち上がった人々に学んだものだったという。

「復興に立ち上がった東北の人々の絆に日本民族の持つ共同的な存在としての本質を感じました。共同作業の中で、培われてきた日本人の魂、これこそが地方の未来、日本の未来を切り開くものだとして確信したのです」

 だが、氏は昨年末の衆議院選挙で、福岡県の一部のJAの対応に強い怒りを感じていた。

「農協解体を進める勢力を応援すること自体、自らの死を準備するものでしかない。TPP反対を掲げる人物をもっと積極的に応援しなければ、組合員に対して、これまで語ってきたことが口先だけのものになってしまう。人の縁も、組織の繫がりもあろうが、大切なのは日本の農業の未来を創りだすために、一致団結することだ。それなのに自分たちを潰す政策を推進する候補者を応援するとは何事か」

 そのためか、佐賀知事選でJA側の勝利を、お隣の話とはいえ氏はことのほか喜んだ。この勝利を全国に拡げなければならない。そう熱く語っていたのだが・・・
 道半ばにして斃れることの無念さはいかばかりのものだったろう。氏のご冥福を心よりお祈り申し上げる。

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カテゴリー: JA, 蔵内勇夫 
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